住宅植栽に適したおすすめの樹木や草花をご紹介します。無機質なエクステリア・外構も植物が入るだけで大きく印象が変わります。植物を育てることが未経験な方も、最低1〜3本は植物を植えられることをおすすめします。
植物を育てることはそれほど難しいことではありません。大切なことは、気に入った植物を植えること、その特徴を理解することです。ここでは、おすすめの住宅用植栽の種類や役割からその特徴や育て方、剪定時期、病気、害虫について詳しくご紹介します。
お庭におすすめの植物の種類 |
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針葉樹
Needle-leaved tree
一般的にコニファーといわれる常緑針葉樹が住宅や店舗で使用されます。イングリッシュガーデンやコニファーガーデンなど洋風のデザインに適した樹木といえるでしょう。大・小、立木のタイプからグランドカバーに利用できる種類まであります。種類によって色や樹形に違いがありますので、組み合わせながら変化をお楽しみいただけます。ゴールドクレストやエメラルド、フィリフェラオーレアなどが人気の種類です。
多年草・宿根草
Perennial herb
多年生の草花のうち、生育に適さない時期に地上部が枯れ、適期に再び発芽を始めるものを宿根草といいます。宿根草も多年草の仲間になりますが、主に冬に一度なくなるものが一般的です。耐寒性常緑多年草と組み合わせると、四季の変化をお楽しみいただけます。ギボウシ、キク、キキョウなどが宿根草にあたります。
地被類(グランドカバー)
Ground cover plant
主にグランドカバーに利用されるのが地被類といわれる植物です。つる性で地面を覆い隠すように生えるのが特徴です。土を隠してマルチング効果を生み出すものや、足元を美しく見せる植物あります。コンクリートなどで舗装をすると体感温度の上昇に繋がったり、土のままでは雑草が生えて見栄えが悪くなったりします。グランドカバーを行うことで、足元から涼しく、美しく仕上がります。
一般的にアイビーの利用が多いようですが、ヒメツルソバ(写真上)やシバザクラ、フイリツルニチニチソウ(ビンカマジョール・バリエガータ)、コニファー系のハイビャクシンなど様々な種類が存在します。
おすすめの植物の役割 |
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目隠しツリー
Screen tree
少し昔までは目隠しの樹木というと生垣が採用されてきました。近年では、生垣という密集させた植栽だけではなく、風通しの良く感じさせる常緑樹を組み合わせた植物による目隠しも人気を呼んでいます。いくつかの種類の中高木を組み合わせることで単調ではない変化ある植栽をお楽しみいただけます。株立といわれる根本から数本の幹が立ち上がった植物に、風が吹きこむとささやくような優しいイメージが、従来の生垣とは違った爽やかな印象を与えてくれるでしょう。樹木による目隠しは、フェンスや構造物の目隠しに比べて、非常に安価に行えることも魅力です。洋風、和風、モダン問わずに活躍をする現在の植栽デザインのご提案といえます。
生け垣
Hedge
目隠しや境界を示すために使用される植栽です。植物を利用した壁は、ブロック塀などに比べて圧迫感が少なく風通しが良いのが特徴です。少し前までは、生垣というとレッドロビン(ベニカナメモチ)を使用するものがほとんどで、どちらの住宅でも同じ植物という印象があります。建物や土地との調和を考えながら生垣もデザインすると、シルバープリペットやベニバナトキワマンサク、ボックスウッド、マサキなど様々な選択肢があります。
日除け
Sunshade
パーゴラに植物を絡み付けると、日陰を作ることができます。つる性の植物は、特に成長が早く生命力が強いものが多いので、簡単に育てることが可能です。常緑性のつる性植物(地被類)を利用すると一年中日陰を作ることができ、落葉性のつる植物(地被類)を利用すると日差しの少ない冬は、日照を得ることができます。常緑種にはアイビー、ハツユキカズラ、ツルニチニチソウなど、落葉種にはツルバラ、アケビ、ナツユキカズラなどがあります。
基礎隠し
Put the base out of sight
基礎沿いに植物を植えこむと、コンクリートの硬い感じがグッと柔らかくなって外見が美しく変化します。基礎の高さは、約350~400mmの間なので、大きくならない植物を植えると良いでしょう。基礎沿いに植物を植えこむと湿気を気にされる方がいらっしゃいますが、基礎パッキン(建築物と基礎の通気口)を防ぐことにはならないので、ご安心ください。